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三つの宝

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三つの宝

De: 芥川 龍之介
Narrado por: 斉藤 範子
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代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。
才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。
そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。
次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。
その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。
芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。
また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。


森の中。三人の盗人が宝を争っている。宝とは一飛びに千里飛ぶ長靴、着れば姿の隠れるマントル、鉄でもまっ二つに切れる剣――ただしいずれも見たところは、古道具らしい物ばかりである。
第一の盗人 そのマントルをこっちへよこせ。
第二の盗人 余計な事を云うな。その剣こそこっちへよこせ。――おや、おれの長靴を盗んだな。
第三の盗人 この長靴はおれの物じゃないか? 貴様こそおれの物を盗んだのだ。
第一の盗人 よしよし、ではこのマントルはおれが貰って置こう。
第二の盗人 こん畜生! 貴様なぞに渡してたまるものか。
第一の盗人 よくもおれを撲ったな。――おや、またおれの剣も盗んだな?
第三の盗人 何だ、このマントル泥坊め!
三人の者が大喧嘩になる。そこへ馬に跨った王子が一人、森の中の路を通りかかる。
王子 おいおい、お前たちは何をしているのだ? (馬から下りる)
第一の盗人 何、こいつが悪いのです。わたしの剣を盗んだ上、マントルさえよこせと云うものですから、――
第三の盗人 いえ、そいつが悪いのです。マントルはわたしのを盗んだのです。
第二の盗人 いえ、こいつ等は二人とも大泥坊です。これは皆わたしのものなのですから……©2022 PanRolling
Literatura de género Narrativa literaria
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