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実説 城谷怪談 撰集七十九
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Narrado por:
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城谷 歩
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De:
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城谷 歩
Acerca de este título
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「追憶の浜」(22分)
未曽有の大災害となった東日本大震災から数か月後、宮城県石巻市に住んでいた良子(仮名)さんは、海を見たくなったそうだ。
甚大な被害をもたらした津波の傷跡が生々しい最中、恨み節を叫ぶためでもなく、もちろん泳ぎに行くつもりでもなく……。友人たち二、三人で連れ立っていくと国道を挟んで海側は家の基礎さえもない平地になってしまっていた。
と、瓦礫が散在する砂浜に地元の方と思しきおじいさんが一人佇んでいた。「こんにちは」と声をかけ、しばらく世間話をしていたのだが……。
「あの人だぁれ?」(22分)
村上さんという女性が四歳の時の出来事。
当時両親と弟二人の5人家族だった村上さんは、名古屋から大阪に引っ越したばかりだった。季節が冬だったせいもあり、夜は冷え込みが厳しい。家族で早めの食事を済ませ、布団にもぐりこんだ。
するとお父さんがトイレに行くと言って、ガラスのはまった横開きの引き戸を開け暗い廊下に出て行った。
やがて帰ってくる父の後ろに、見知らぬ女がついてきた。真っ白な着物を着て、音もなく静かにソレはやってきて……。
「結界を出るな 前編」(26分)
ホシノさんは現在二十六歳の女性。彼女がまだ小学校五年生の春休み、祖父が神主を務める神社に泊りがけで遊びに来ていた時のこと。
神社に手伝いに来ている方たちの子供たちともすっかり仲良しで、下は1歳、上は16歳のお兄さんまで、子供たちは8人で遊んでいると、やがて大人たちが境内の桜の下に集まって敷物をしいて、お酒を飲みながら毎年恒例の花見が始まった。まだ早い時間だったが、一般参詣をとめて、知り合いや氏子さんたちで大盛り上がり。
子供たちは飽きて、途中から母屋に引っ込んでいたのだが、突然Aさんという、おとなしいおばさんがうめき声を上げ、暴れだした。
「結界を出るな 後編」(22分)
大の男が数人がかりで押さえつけようにも、収まらないくらいにのたうち回るAさんを、 どうにかはなれに連れていくことになったのだが、どうやら憑いているらしい。
お祓いをするのに大人たちは皆いなくなってしまった。その時に「子供たちは大人が戻ってくるまで決して神社の建物を出ちゃいけないよ!」ときつく言われたそうだ。訳も分からず、それでも突然のことに8人の子供たちは母屋に駆け戻ったのだが、どうしていいかわからない。
そのうち日が暮れ始め、ふと見ると境内を映した防犯カメラのモニター映像にちらちらと人影が……。これは怪異の序章に過ぎないことをまだ誰も知る由もなかった。©2021 Wataru shirotani
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