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第三次世界大戦はもう始まっている

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第三次世界大戦はもう始まっている

De: エマニュエル・トッド, 大野 舞(訳)
Narrado por: 原田 晃
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本タイトルには付属資料・PDFが用意されています。ご購入後、デスクトップのライブラリー、またはアプリ上の「目次」でご確認ください。(アプリバージョン:Android 2.40以上、iOS 3.11以上)

ロシアによるウクライナ侵攻を受けての緊急出版。
 戦争を仕掛けたのは、プーチンでなく、米国とNATOだ。
 「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている。ウクライナで終わりではない。その後は、ポーランドやバルト三国に侵攻する。ゆえにウクライナ問題でプーチンと交渉し、妥協することは、融和的態度で結局ヒトラーの暴走を許した1938年のミュンヘン会議の二の舞になる」――西側メディアでは、日々こう語られているが、「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確な警告を発してきたのにもかかわらず、西側がこれを無視したことが、今回の戦争の要因だ。
 ウクライナは正式にはNATOに加盟していないが、ロシアの侵攻が始まる前の段階で、ウクライナは「NATOの“事実上”の加盟国」になっていた。米英が、高性能の兵器を大量に送り、軍事顧問団も派遣して、ウクライナを「武装化」していたからだ。現在、ロシア軍の攻勢を止めるほどの力を見せているのは、米英によって効果的に増強されていたからだ。
 ロシアが看過できなかったのは、この「武装化」がクリミアとドンバス地方の奪還を目指すものだったからだ。「我々はスターリンの誤りを繰り返してはいけない。手遅れになる前に行動しなければならない」とプーチンは発言していた。つまり、軍事上、今回のロシアの侵攻の目的は、何よりも日増しに強くなるウクライナ軍を手遅れになる前に破壊することにあった。
 ウクライナ問題は、元来は、国境の修正という「ローカルな問題」だったが、米国はウクライナを「武装化」して「NATOの事実上の加盟国」としていたわけで、この米国の政策によって、ウクライナ問題は「グローバル化=世界戦争化」した。
 いま人々は「世界は第三次世界大戦に向かっている」と話しているが、むしろ「すでに第三次世界大戦は始まった」。ウクライナ軍は米英によってつくられ、米国の軍事衛星に支えられた軍隊で、その意味で、ロシアと米国はすでに軍事的に衝突しているからだ。ただ、米国は、自国民の死者を出したくないだけだ。
 ウクライナ人は、「米国や英国が自分たちを守ってくれる」と思っていたのに、そこまでではなかったことに驚いているはずだ。ロシアの侵攻が始まると、米英の軍事顧問団は、大量の武器だけ置いてポーランドに逃げてしまった。米国はウクライナ人を“人間の盾”にしてロシアと戦っているのだ。

©エマニュエル・トッド /大野舞 (P)2022 Bungeishunju Ltd.
Ciencias políticas Política y gobierno
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